本気で考える家づくりのお話
②値引きと言う甘い言葉について
佐野建設は値引きしません!?
最初にお伝えしますが、佐野建設は値引きしません。
すべてのお客様に同じ品質の家を、同じ条件で建築していただきたいからです。
そして何よりも自分とお客様に正直で有りたいためです。
皆さんのお友達、ご親族の中にも家づくりをされた方がたくさんいらっしゃると思います。
その方たちに聞いてください。契約をする時に値引きしてもらいましたか?
大半の方が値引き交渉をしていると思いますし、実際に値引きをしてもらって契約していると思います。
あなたも住宅は値引きをしてもらって契約するものと思っていませんか?
実際に値引きをするとどうなるのかご存知でしょうか?
大半の建築業者は値引きを当たり前のようにしています。
大手メーカーでは営業が契約金額の10%までは値引きをして良いと決まっている会社もあります。
同じ家を建てるのだから価格交渉して安く建てられた方がお得ですよね。
どんどん価格交渉してくださいね。・・・なんてね。
値引きの中身とは
ここで値引きをした場合、建築業者がどういう対応をするのかを書いておきます。
まず、正式な値引きをした場合ですが(えっ!正式でない値引きもあるの?と思われた方、さすがです。それはもう少し先でお話しましょう)、営業の歩合がなくなります。
営業は歩合で生活していますので、歩合がなくなるとあなたの家づくりに関しては言ってみれば「タダ働き」なわけです。
こんな話聞きませんか?
「契約したら営業さん全然、顔を見せなくなってしまった。」
そりゃそうですよ!タダ働きですから、力入らないですよね。
「良い提案なんてしてあげないよ。」ってなもんです。
まだあります。
設計の打ち合わせをする時に契約時の値引き分をいくらかでも取り戻そうと、たくさんのオプションを勧めてきます。
「これを付けるとこんなに住みやすくなりますよ。」と言って本当は必要なさそうなオプションを勧めます。
それも、結構、値が張るものですね。
例えば「外壁に少しタイルを張りましょうよ、カッコいいですから。」とか、「お風呂にジェットバスを付けませんか?ご主人様がお仕事から疲れて帰ってきてもお風呂で疲れが取れますよ。」とかです。
もっと、もっとあります。言葉巧みにオプションを勧めるわけです。
ちなみにジェットバスですが、勧めると付けられる方多いんですよ。
もっとも、使っているのは最初の3ヶ月くらいです。あとは使わない方が多いですね。
まだまだ、あります。
図面も決まりました。いよいよ工事開始です。
この段階で工事担当者が各業者に値引き交渉を開始します。
「このお客さんは利益取れないから、大工さん今回はこのくらいの手間代でお願いしますよ?」みたいな交渉です。
今は大工さんを例にあげましたが、これをすべての業者に行うわけです。
何故だと思いますか?
実は工事担当者の成績は粗利益の額で決まるからです。
営業が無理な値引きで契約したお客様の家は粗利益が出ないので、業者に価格交渉をするのです。
大工さんとの関係
さてここで問題です。
腕のいい大工さんは手間代が減らされたらどうすると思いますか?
その通りです・・・。
この家はやりたくないと言って断るんです。
だって、腕がいいんですから手間代のきちんとした仕事がドンドン回ってきますよ。
そうすると大幅値引きをしたあなたの家は、誰が作るのでしょう?
そうです。
普段、仕事が回ってこない腕の悪い業者たちです。
上記のような事になっては図面と見積もりは合っていますが、絶対に同じ家になるわけがないのです。
こんな事は普通に行われているんです。
車や家電ならいいんです。
出来上がったものを買うんですから、値引きしてもしなくても同じものが買えるのです。
しかし、住宅は違います。これから造るんです。
値引きをしたら、それを取り戻そうとあなたに見えない所で抜いてきます。
手間代や金物、構造などの壁の中に入って見えない部分、素人には全然分りません。
残念ですが出来上がってしまってはプロが見ても分りません。
しかし、確実に抜かれています。社員は自分の成績が大切なのです。
さて、今までは正規の値引きをした場合の話です。
正規ではない値引きって!?
実はここからがもっとひどい話です。気を引き締めて読んで下さい。
正規ではない値引き??? って一体どんなものでしょう?
実はこのお客さんは200万円くらい値引きしたら、契約してくれそうだな。。。
と言う具合に営業がお客さんの値踏みをしたら、正式な見積価格に200万円くらい最初から乗っけておくんです。
業界では乗っけ引きと言います。
ここで活躍するのが坪単価なんです。
お客様に坪単価表を提示しない会社が多いのはこのためです。
例えば40坪で200万円値引きしようと思ったら、最初から坪単価を5万円上げてお客様に見積りを見せるんです。
坪単価というのは「その1 建築費と坪単価の不思議」にも書きましたが、明確な基準はありません。
会社によっても違いますし、このような状況ですとお客様1人1人で変わってくるものなのです。
この乗っけ引きをやられるお客様は、資金がある程度見込めて、人が良い方たちばかりです。
資金が苦しい人にはさすがに乗っけられないですからね。
お客様によって同じ商品なのに見積りの仕方が変わるんですから、お客様から見たら詐欺みたいなものです。
もっと大幅に値引きをしてくる業者やメーカーもあるでしょう。
聞いたことがあるのは500万円くらいの値引きをしてもらった、なんていうこともありました。
このケースは通常単価にいくらか乗せて提示し、更に上司の決済を貰って出来る所まで下げるというテクニックを使っています。
値引はお客様が損する!?
こんな契約をした場合、泣かされるのは下請け工務店です。
この仕事を請けないと元請のメーカーさんに、使って貰えなくなるので、赤字でも請けます。
しかし、赤字では会社が潰れてしまいますので、どこかで埋め合わせをしなければいけないわけですね。
どこで埋め合わせをするか?
もちろん!あなたに見えない、もしくは分らない、壁の中などです。
一番、大切な部分が抜けてしまいます。
ちなみに各社キャンペーンと言うのを随時行っていますが、キャンペーンははじめから坪単価2万円上げて見積もり提示しろとか、会社から指示が来ます。
このように値引きとは名ばかりの事が多くまかり通っているのも、建築業界の悪習です。
佐野建設では坪単価表をお客様に必ずお見せするようにしています。
お客様によって見積り金額が変わっていくのはどう考えてもおかしいからです。
佐野建設では、正直な家づくりをしたいから値引きは致しません。
施工してくれる業者さんを泣かせるようなことはしたくありませんし、出来上がった家の品質を下げたくはないのです。
値引きは最終的にはお客様が損をする事になります。
値引きを餌に契約を迫る業者としっかりした品質の家づくりを正直にしている業者とどちらを選ぶかはあなたが決める事です。